今思えば、あの地獄なような日々が
あったおかげで、今の自分があったわけで
思い出すのもイヤなことも多かったわけで
(ここまでは雪の富良野よりお伝えしました)

記憶を戻すと、ダム現場に一人残され、
呆然としていた私のもとに、ある程度の
日本語を話すことが出来る、現地人ペラさん
(正式な名前は長くて忘れてしまった)が
アンタ、ニューフェイスよ、ワタシよ
ペラサンよ っと全ての語尾によをつけて
しゃべる変なオッサンがニコニコしながら
現場事務所に入ってきた

アンタ、ネームよ、ナンテイウよ?
○○です アア ハハ ○○サン
アンタよトゥデェイカラよココノよボスサンよ
この絶望的な駄目押しの言葉を聞いて不安
暗中模索、思考回路停止
ふと思い出したように、置き手紙にあった
ファイルに目を通す、今までの現場の作業内容
これからの予定等々、工程表を見てみる
(工程表とは現場の作業順序と作業予定日数
等を簡略に図にした表)
其れによると8ヶ月かかって終わる作業が
13ヶ月経った今でも終わらず、
いつ帰れるともわからない状況で語尾によを
つけるこのオッサンが現地の作業員をまとめて
いるマネージャー的存在なのだと知った

このオッサンにお願いして車で10分の現場
に連れて行ってもらった、
首を左右に振って今立つ場所よりも
7,800mぐらい高い山が両方にあり、
視界中央に幅10から15mの川が
ながれていた、現場に着いての第一印象は
予定より遅れて当然の現場、圧倒的に建設機械
の少なさと、設備の貧弱さでとても工事現場
とは程遠い感じがした
しかも、更に驚かされたのは、左右の山の斜面
に栽培された木々、遠目で見ればミカン等の
柑橘系の木に似てたので、その類の果樹園用
ダム建設かと思っていたら大間違い

コカの木だった、この葉から抽出された粉が
かの有名なコカイン、実際苦い葉っぱを
噛んでると軽くハイになります、
先住民達はこの葉の煮汁を痛み止め等に使用
していたようです
ビックリしている私にペラさん曰く
カネノナルキよグヘヘヘヘ
日本国民の税金を麻薬組織の資金源栽培の為に
使うなんて馬鹿げてると思っていたが
政府の補助でコカに変わる代替作物の栽培
の為にダムが必要なんだと後になって知った
現場の2,3キロ先は麻薬組織の支配地域で
割と安全だといっていた
政府支配地域と麻薬組織支配地域の境の
ニュートラルゾーンになっていた

この国は、政府支配地域、反政府支配地域、
麻薬組織支配地域が入り組んでいて
麻薬組織支配地域が一番安全で
文盲率も一番高いのと大学への進学率も他の
支配地域よりも高いのが自慢みたい

2,3ヶ月前に10キロと離れていない
コカ畑がアメリカの麻薬捜査局チャーターの
米軍爆撃機に焼き討ちにあったとも言っていた

現場事務所と寝泊まりする場所は集落の
中心にあり、学校、集会所、商店、診療所
ガソリンスタンド、映画館など
人口4,5000人の街にしては活気があった

初の海外赴任がこんな現場、ただでさえ
アル中なのに、更にヤク中に仕立てようと
しているのか会社の真意が知りたかった
実際、現場主任はヤク中になって、本社栄転を
嫌がっていたのを所長が無理矢理連れて帰ったと聞いた、おおコワァ 明日は我が身

パート2はまた今度

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